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アンティークや薔薇モチーフの小物がぎゅっと詰まった代官山「マチルド・イン・ザ・ギャレット」は、女の子だったら必ず一度は訪れてみたいお店。オーナーの酒井しょうこさんは、カリスマスタイリスト時代から今に至るまで、女の子の気持ちをずっと代弁してくれています。その心の中をひとつひとつ大事な言葉で伝えてくれる連載です。

多くのファンを持つアンティークショップ
「マチルド・イン・ザ・ギャレット」オーナー。
スタイリストを経て、結婚、渡英、そして帰国後に
ショップオープン、と次々に夢を実現。
また、元スタッフの多くが各方面で活躍している。
一人娘の酒井景都さんは、モデルや
Made in COLKINIKHAのデザイナーとして活躍中。

初めて手にした日は、衝撃で暫くその場から動けませんでした。それが、「スージークーパー」の食器でした。
アンティークとの決定的な出合いが20歳の時に訪れます。青山にある小さなアンティークショップでのできごとです。高価なアンティーク食器のシェリーやダルトンがすまし顔で置かれている店内に、1つだけ、暖かさが感じられる食器が目に留まりました。縁取りが淡いピンク色のグラデーションで、中心に幸せそうなピンクの薔薇の花が描かれた食器に引き寄せられる様に手が伸びました。
その食器の何とも言えない微妙な色彩から醸し出される、優しさ、可愛らしさに包まれ、あまりの衝撃でその場から動けなくなったことは、今でも忘れられないできごとです。後で知ったのですがその食器は、スージークーパーというイギリスの女性作家のもので、パトリシアローズの柄は1938年、彼女が新婚時代にデザインしたのだということが分かりました。まさにバラ色の幸せな中での表現(デザイン)だったのですね!
当時の若い私にはとても手の届くものではなく、手に入れることもなく、しかし忘れられないでいました。ところが、すぐにスージークーパーを使うことのできる日が訪れたのです。その年の8~9月、初めてイギリスに1ヶ月、1人で住んだ時のことです。滞在先のフラットに、何と備品としてセットしてあったのです。またまた魅きつけられ思わず手にとりました。それは、ベージュピンクと臙脂(えんじ)色のグラデーションが美しい「ウエディングリング」(結婚指輪)と名づけられたデザインシリーズのものでした。シンプルだけど暖かみがあり、深みのある微妙な色彩の食器でした。食器の裏に「スージークーパー」とサインが入っていました。その再会に私はとても感動しました。スージークーパーの食器を使ったとき、あたたかさと優しさ、素朴さ、品の良さ、女性らしさ、を感じました。
「スージークーパー」の食器は大好きなお茶の時間を、素敵に演出してくれます。とくに、カメオ色の陶器の地の優しい色は、ミルクティに合い、温かでゆっくりとした時間をつくってくれます。この姿を見て、感じているだけで、心が癒されていきます。その「ウエディングリングシリーズ」の深く優しい色彩がとても好きで、その色が、その後今に至るまで続く私のテーマカラーとなってしまいました。

二十歳の秋、初めて一人で訪れたイギリスで

衝撃の出会い、スージー・クーパーの「パトリシアローズ」

私のテーマカラー、「ウエディングリング」シリーズ


