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アンティークや薔薇モチーフの小物がぎゅっと詰まった代官山「マチルド・イン・ザ・ギャレット」は、女の子だったら必ず一度は訪れてみたいお店。オーナーの酒井しょうこさんは、カリスマスタイリスト時代から今に至るまで、女の子の気持ちをずっと代弁してくれています。その心の中をひとつひとつ大事な言葉で伝えてくれる連載です。

多くのファンを持つアンティークショップ
「マチルド・イン・ザ・ギャレット」オーナー。
スタイリストを経て、結婚、渡英、そして帰国後に
ショップオープン、と次々に夢を実現。
また、元スタッフの多くが各方面で活躍している。
一人娘の酒井景都さんは、モデルや
Made in COLKINIKHAのデザイナーとして活躍中。

幼いころからの憧れのイギリス。イギリスで暮らしたいと思う夢が募り、とうとう単身で初めてのイギリスへ、1カ月の旅をすることになりました。21歳の秋でした。バーボラミラー(Barbola Mirror)を見るたびに、ロンドンに住む友人の家に招かれた時の光景が鮮明に甦ります。
そこは、小さなギャレット(garret=屋根裏部屋)でした。天井は低く小さな小窓が1つ。倹しい生活の中で、所狭しと置かれているジャンクと言われる部類のアンティーク。でも、そのアンティークの素敵さに心奪われたのです。感動の嵐です!
【その小さな住まいの印象があまりに強く、「matild in the garret」=「マチルドを屋根裏部屋に住まわせる」というストーリーでショップを作ってしまったのです。ちなみにマチルドとは、ルナールのにんじんという映画に出て来た可愛い少女の名前です。】
小さな屋根裏部屋のチェストの上で、独特の雰囲気を醸し出しているバーボラミラー。私はまたしても心震えるアンティークと出会ってしまったのです。
バーボラ・ミラ−は1920~30年代に多く作られた鏡で、バーボラと呼ばれる粘土細工を鏡の周りに施して着彩したもの。すべて手作業で為され、バーボラも脆いため、完全な姿で今日残っている物は非常に稀です。モチーフとしてはバラが多く使われ、とくにキャベッジローズと呼ばれる、大輪で花弁の多いバラは見応えがあります。モチーフは他にも勿忘草などのお花や、果物などがあります。鏡の大きさも色々で、円や楕円、扇型でスタンドタイプのもの、大きな壁掛けタイプ、三面鏡などがあります。
鏡は殆どの場合、隅切りがなされた、分厚い、上質な鏡が使用されています。バーボラ細工が施されたものには、バーボラミラーの他、トリンケット(小物入れ)、さまざまな用途の木箱、バスケット、フレームなど多種多様なものがあります。
私はイギリスで暮らした1年の間に、運良く素敵ないくつかのバーボラミラーに出会えました。(#1の写真に思い出のバーボラミラーが写っています)中でも家族で旅行した、ブライトンで見つけた三面鏡は見事なものでした。その三面鏡は町外れのアンティークショップのショウウインドウの丸テーブルの上に、大切そうに飾られていました。バーボラで三面鏡を見たのは、その時が初めて。とても感激しました。旅先からでも連れて帰りたくなり、即決で購入しました。
そのバーボラミラーは帰国後も、大切に大切に使いました。そして、今でもファンのお客さまが大切に使って下さっています。アンティークの良さは、こうして人から人へ大切に受け継がれて行くことにも、あるのだと思います。


