r.o.m.o.トップページ > 木もれ陽だより > 甲斐みのりのロマンチック案内



1976年静岡生まれ。文筆家。大阪芸術大学卒業後、数年を京都で過ごし、現在は東京にて、雑誌や書籍で執筆を行う。また、「女性の永遠の憧れ」「叙情のあるものつくり」をテーマに、雑貨の企画を行うブランド「Loule」(ロル)を主宰。著書に『乙女の京都』『乙女の東京』『乙女の大阪』『京都ロマンチック案内』(以上すべて小社刊)、『京都おでかけ帖〜12ヶ月の憧れ案内〜』(祥伝社)、『甘く、かわいく、おいしいお菓子』(主婦の友社)、『クラシックホテル案内』(KKベストセラーズ)、『乙女みやげ』(小学館)、『ジャーナル』(mille books)などがある。http://www.loule.net



お酒が飲めるようになって8年。
美味しいと思ってから5年。
日本酒の味を覚えて3年。
この頃は、酒器の蒐集を始めた。
お酒を飲むのにこのましいのは、地元に根付いた老舗の居酒屋。
入口に、赤提灯や縄暖簾がぶらさがっていたらなおのこと。
それから、クラシックホテルのバーも。
そのうち、渋好みの女性が気兼ねなくお酒を楽しめる酒処の
本など作れたらと思ってもいる。
お酒への愛情は絶大なものだけれど、実は量はそれほどいけない。
だから私は、量より質。とにかく楽しく飲みたいのだ。
できれば、ちょっと、ロマンチックな気分で酔うための、
お酒やら、お酒まわりの雑貨を少々、ご紹介。



いつも家に常備して、誰かの家でごはん会があるとき、お祝いごと、
映画好きの友人へ、手土産の定番にしているのが「ソフィア」。
映画監督、フランシス・コッポラが
所有するカリフォルニアのワイナリーで
愛娘のソフィア・コッポラの結婚を祝ってつくったスパークリングワイン。
「シャンパンほどガスが強くなく、値段も高すぎないワイン」という、
ソフィアの希望が叶えられたのだそう。
アプリコット、オレンジ、洋梨、メロンやレモン、
甘く軽くすっきりとした味と香りに、うっとりさせられる。
ピンク色のラベルも、清楚で愛らしく、いつまでも飾っておきたくなる。
まだ実現させていないけれど、密やかに憧れているのは、
愛らしいワンピースに身を包み、
「ヴァージン・スーザイズ」や「マリー・アントワネット」、
ソフィアが監督した映画を観賞しながら、ベッドの上で飲むこと。


お酒の瓶を、保存したり、卓上に出したり、持ち運ぶときの愛用品。
手前のは、金沢と銀座に店を構える〈福光屋〉の「一升瓶トートバッグ」。
寝かせた一升瓶が、一本すっぽり入る横長サイズ。
帆布素材で頑丈だから、普段使いにも重宝。
奥左は、〈日光金谷ホテル〉の売店で求めたワインバッグ。
ホテルオリジナルのワインとともに、持ち帰ってきたもの。
ワインなど手土産にするときは、このバッグと決めている。
奥の右側は、京都の雑貨店〈キトネ〉で人目惚れしたカゴ。
普段は、台所でワインストッカーとして使用。
来客時には、そのまま卓上にポンと置く。


アルコールが苦手、という人でも、
ロマンチックな気分に浸れるとっておき。
左側は、佐渡ケ島の青梅を原料に醸した、〈北雪酒造〉の「北雪梅酒」。
まろやかでコクがあって、日本食によくあうお味。
梅の花がちりばめられた箱もすてき。
仕事場近く、表参道にある新潟県のアンテナショップで見つけたもの。
左側、ピンク色をした瓶も、同じく求め先は、表参道。
オーガニックフードの店〈ブラウンライス〉にて。
その名も「桃色の甘酒」。岐阜は〈天領酒造〉の人気の品。
アルコールは入っていないから、仕事を残した日の食事どきや、
運転する人、アルコールが苦手な人と過ごすとき、買いに走る。
水や氷で割る他にも、朝食で食べるヨーグルトに加えたり、
凍らせてジャーベットに変身させたりと、楽しみ方もいろいろ。


富士山の麓に窯を持つ、吉田直嗣さんの黒い酒器と器を求めてすぐ。
山口は下関で暮らす姉からお土産に「みすず」というお酒をもらう。
山口生まれの詩人・金子みすずにちなんで名付けられた、
辛口で口当たりのよい純米大吟醸。
瓶に添えられていた、みすずの詩
「わたしと小鳥とすずと」を読みながら優しい気持ちで味わいたい。
もちろん、吉田直嗣さんの酒器とあわせて。
吉田直嗣さんの器と出会ったのは、銀座〈福光屋〉で開催されていた、
井山三希子さん、吉田直嗣さんの二人展「晩酌揃」で。
井山三希子さんが白い器、吉田直嗣さんが黒い器、
お酒や酒肴にお似合いの、猪口や皿が並ぶ中。
あれもこれもと欲張りたいところ、迷いに迷って選び出した3つ。
左は片口、中は猪口、右は高台皿。
しっくり、しっぽり、お酒と詩と、向合うときの、誂え向き。


