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甲斐みのりのロマンチック案内 旅、街歩き、お菓子、器、洋服、お酒、読書、音楽…etc。愛らしく美しいもの、澄んだもの、おいしいものや、おしゃれなど。『乙女の京都』、『乙女の東京』、『乙女の大阪』『京都ロマンチック案内』の著者、甲斐みのりさんが日々の中で、見つけたり、出会ったり、気になったり、ロマンチックを感じるモノやコトを、写真に短いエッセイを添えてご紹介する連載が「甲斐みのりのロマンチック案内」です。少しの間、日常の忙しさから離れて、どうぞゆっくりと、ご覧ください。

甲斐みのり(かい・みのり)

1976年静岡生まれ。文筆家。大阪芸術大学卒業後、数年を京都で過ごし、現在は東京にて、雑誌や書籍で執筆を行う。また、「女性の永遠の憧れ」「叙情のあるものつくり」をテーマに、雑貨の企画を行うブランド「Loule」(ロル)を主宰。著書に『乙女の京都』『乙女の東京』『乙女の大阪』『京都ロマンチック案内』(以上すべて小社刊)、『京都おでかけ帖〜12ヶ月の憧れ案内〜』(祥伝社)、『甘く、かわいく、おいしいお菓子』(主婦の友社)、『クラシックホテル案内』(KKベストセラーズ)、『乙女みやげ』(小学館)、『ジャーナル』(mille books)などがある。http://www.loule.net

11 夏の思い出

外に出て、太陽の光を浴びる。
内にこもらず、人と会う。
これは、今年のはじめに掲げた抱負。
夜型の生活を朝型に、室内派を野外派に、
改めようと思いたった。
山道や森を歩く。花を摘む。湖に浮かぶ。
陽も雨も恐れない。
星や月ばかりにしばらく目を向けていたから、
もっと、明るいところも、見たいと思った。
ゆっくり、少しずつ、昼に心を開くうち、
友人たちの計画を知り、
ぜひ私もと挙手して参加させてもらったキャンプ。
イラストレーター、編集者、料理研究家、デザイナー、
ほぼ自営業の同士たちと過ごした2日間。
この夏の思い出に、ぽわんと余韻を残す、
ロマンチックな出来事だった。

ロマンチック 現実を離れ、情緒的で甘美なさま。また、そのような事柄を好むさま。空想的。風景、もの、こと、人、場所、想い、出会い、目にして、触れたとき心がユラリと揺れるような甘く、優しく、ふんわりとした気持ちになれる、さまざまを、ご案内いたします

久留里駅

三軒茶屋から、1時間と少し。
キャンプ場の最寄り駅は、
千葉の木更津駅から上総亀山駅までを結ぶ久留里線「久留里駅」。
お台場に立つガンダムを眼下に眺め、
東京湾アクアラインを渡り車で東京から千葉へ向かったので、
愛らしい様相の久留里線の列車に乗ることはできなかったけれど、
緑を背景にホームがのびる、のどかな駅で記念撮影。
くるりの「ワンダーフォーゲル」、口ずさみながら。

花火

養老渓谷で澄んだ水に足を浸したあと、
まだ明るいうちからバーベキューの支度。
お肉、野菜、魚のホイル焼き、富士宮やきそば、
おのおの腕をふるいあってお腹が満ちた頃、
時計に目をやれば、まだ夜の8時。
いつもはまだ仕事をしている時分だと思うと、
なおのこと気分がよい。
地に寝転がって流れ星を探したり、歌ったり、
ひとしきりレクリエーションに興じ、最後は花火。
花火で描いた、「KURURI」という文字。

パン

月曜日の朝。
7時起床。
8時から朝食。
またもや朝から、おのおの、すきずき、夢中で料理。
スープカレー、お肉、やきそば、サラダ、つけもの。
次々、料理が盛られた皿が運ばれては、
たちまち中身が消えてゆく、野外バイキング。
そのうち、はじまった、パン作りワークショップ。
料理研究家、Gomaちゃん指導のもと、パンをこねる。
ひたすら、こねる。
それから、渓谷で拾ってきた木の枝に、くるくると巻き、
炭火にあぶって、ふっくらと焼き上げる。
にんじん、ハーブ、ゴマ、いろいろな味の棒つきパン。
野趣に富んで、滋味深い味わい。

バランス勝負

お昼から太陽が傾きはじめる頃まで、海水浴。
泳いだあとは、スイカ割り。
最後は、目を瞑ってバランス勝負。
誰よりも、片足をあげていられた人が勝ち。
海辺で遊ぶ鳥のように、両手を広げ、砂浜に立つ。
眩しい光をたくさん浴びた、総勢20名以上のおとなたち。
本気で遊ぶ姿が勇ましくもある。
最後は「ラムネ温泉」に泡だらけになって身を沈め、
魚を食べて、帰路につく。
解散は海上、「海ほたる」。
たった2日、野外で過ごしただけで、
積もり積もったさまざまが、
清々しく、潔く、リセットされたのだった。

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MARBLE BOOKS 甲斐みのりさんの著書 好評発売中 乙女の京都 乙女の東京 京都ロマンチック案内

 バックナンバー

01 「イイダ傘店 平成二十一年春 日傘展」

02 「ロマンチックに酔うために」

03 「第十一回亀倉雄策賞受賞記念 植原亮輔展」

04 「恋に落ちた瞬間」

05 「『乙女の大阪』写真の奇跡」

06 「竹皮編み展」

07 「ホテルニューグランド」

08 「甘いしみ 苦いしみ」

09 「涼しい和菓子」

10 「祈りの場所」

11 「夏の思い出」

12 「雑司ヶ谷散歩、鬼子母神堂あたり。」

13 「ロマンチックな甘い粒。」

14 「ところどころ」に、ロマンチック。

15 「ロマンチック競馬案内」

16 「大仏、サブレー、コケーシカ。」

17 「ねこ、ねこ、毎日。」

18 「ベッドサイドブック」

19 「4th-market 企画展 作り手と使い手」

20 「娘であること」

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