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デザインの根底に流れる『聖地アシジ』、その町並みは清浄で美しい。私を癒してくれたアシジを想う度、透明で愛に満ちた空気に心洗われる思いがします。中でも一番シンボリックな建物は、滞在していた修道院の、私の部屋から望めたバジリカ、聖フランチェスコ教会。
観音開きの窓を開く度、バジリカの正面の三角の屋根が私に優しく微笑んでくれているかのようでした。その光景は、私の心に深く根付いていたのです。
フランキンセンス+ハウスの外観デザインをするに当たり、まず思い浮かんだのは、このバジリカのような三角の屋根でした。そこから私のイメージは膨らんでいったのです。正面は三角の屋根にして、その下には破風をあしらって。屋根も茶色のグラデーションにし、外壁は、アシジの町並みのようなベージュの石灰系の塗り壁に。大きな面積を占める外壁ですから、色も厳密に調合し、サンプルでの幾度かの確認を怠りませんでした。
フランキンセンスのシンボルでもある、クロスも至る所に入れました。ベランダの手すりにクロスの開口、窓の格子もすべてクロスです。そして、特注の鉄製の柵とポスト、門扉は焦げ茶色に塗装し、クロスデザインの開口を。
階段とスロープには、微妙な色彩が美しいマロン色のベルギー製煉瓦を敷き詰めることに。煉瓦はあらゆる煉瓦屋さんを回って決めました。駐車場の脇にも煉瓦を一列に、10センチ程の幅で長くはめ込み花壇としました。細長い花壇には、こんぺいとうのような、あまり高くならないヴィクトリアンカーペットというピンクの、家に調和する色の花を選びました。駐車場にも十字架に煉瓦を埋め込み、玄関ドアと倉庫のドアは教会から譲り受けた古いドアをカットし、焦げ茶色に再塗装して取り付けました。玄関ドアの上には、イギリスからドアキャノピーを取り寄せもらいコーヒーブラウンの外用塗料キシラデコールを2度塗りすることに。
ポイントに、煙突を付けました。建築士さんがイギリスから取り寄せ、プレゼントして下さったものです。外観デザインは、家の顔となるものです。窓の配置も室内からの都合だけでなく、外から見てシンメトリーにバランスが良くなるようにと考えるには、技が必要でした。そのため、何度も何度も室内の図面を書き直しました。こうして、フランキンセンス+ハウスの図面は私と一級建築士さんの手によって情熱の元に完成したのでした。その日は、奇しくも私の誕生日2007年の4月12日だったのです。



多くのファンを持つアンティークショップ 「マチルド・イン・ザ・ギャレット」オーナー。スタイリストを経て、結婚、渡英、そして帰国後にショップオープン、と次々に夢を実現。2008年秋に新ブランド「フランキンセンス」を立ち上げる。一人娘の酒井景都さんは、モデルやMade in COLKINIKHAのデザイナーとして活躍中。




