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最終図面が2007年4月12日に完成してから、設計事務所さん、工務店さんとの契約を交わし、26日には土地の祝福を致しました。一般的には、地鎮祭と言われる儀式です。
設計事務所の方と工務店さん、そして神父様にお越し頂き、厳かにその儀式は執り行われました。神父様は、聖水を土地に撒いて下さり、そして私は持参したフランキンセンスを神父様にお断りし、土地に撒きました。そして、全員で『主の祈り』を唱え、工事の無事を祈りました。その日、私の中では、フランキンセンス香る聖なる土地が生まれたのです。
そして5月10日、基礎工事が無事開始され、追って建設工事も開始されました。11月完成予定に向けて工事は進行していましたので、その間現場監督にも頻繁に通いました。元の家からフランキンセンス+ハウスの現場へは、往復1時間の道のりでしたが、美しい公園を愛犬にとちゃんと共に楽しみに歩いたことが懐かしく思い出されます。
建設中にもアクシデントに見舞われましたが、めげずに乗り越え乗り越え進んでいた日、完成まで半月となったある日です。愛犬、にとちゃんの容態が一変したのです。
いつも、お散歩に誘うと小さな身体で全力で私の膝に飛び乗っていたにとちゃんが、急に足ががくがくになり飛び乗ってこられなくなったのです。すぐに病院へ連れて行き、特に大きな病気でも無いということでしたが、次の日入院となってしまったのです。1キロしかないティーカッププードルのにとちゃんは、5歳で老犬のような症状だったのです。
私は本当に忙しい日々を送っていましたので、にとちゃんにあまりかまってあげられなかったことが原因だったかと自分を責めました。そして現場監督から帰宅した11月21日、獣医さんから、にとちゃんの容態が悪化したとの電話があり、私は急いで病院に駆けつけました。小さな小さな1キロしかないにとちゃんは、呼吸器を付けて苦しそうな顔をして、私を待っていてくれました。私が到着して『にとちゃん、ママよ!』と声をかけると、いきなりいつもの元気なにとちゃんの目に戻り、私をつぶらな瞳でじーっと見つめてくれるのでした。そして、その時間が数分続いたでしょうか。その後、静かに息を引き取ってしまったのです。にとちゃんは、小さなからだで、最後の全力を振り絞って私を待っていてくれたのです。何て健気なのでしょうか。
にとちゃんは、子供の頃から動物が苦手だった私が生まれて初めて仲良くなれた動物でした。邪念がなく、天使のようなにとちゃんを見る度に、『夢みたいに可愛い!まるで天使の様!』と、言っていたので、にとちゃんは、本当に夢に戻って天使になってしまったのかもしれません。最愛の家族であるにとちゃんまで、私はリセットされたような辛い思いでした。目前に引っ越しを控え、更に忙しくなる私を気遣って犠牲になってくれたようにも思えました。何故なら(後で血統書が出て来て分かったのですが、)フランキンセンス+ハウスへの引っ越しの日12月11日が、奇しくもにとちゃんの6歳の誕生日だったからです。



多くのファンを持つアンティークショップ 「マチルド・イン・ザ・ギャレット」オーナー。スタイリストを経て、結婚、渡英、そして帰国後にショップオープン、と次々に夢を実現。2008年秋に新ブランド「フランキンセンス」を立ち上げる。一人娘の酒井景都さんは、モデルやMade in COLKINIKHAのデザイナーとして活躍中。




