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一新したフランキンセンス+ハウスへの引っ越しにあたり、私はここでもゼロにリセットされなくてはなりませんでした。
ヴィクトリアンの家には、20数年に渡って集めて来た宝物が沢山ありました。簡単には入手出来ない貴重なアンティーク達です。どれにも、大切な思い出が詰まった愛着のあるものたちです。兼ねてから、譲って欲しいとファンのお客様に言われているものも沢山ありましたので、思い切ってクリアランスセールをしようと考えつきました。1点1点写真を撮り、カタログをつくりお客様にお配りしたのです。
大きなものも 次々にご要望をいただき、家の中はだんだんと、からっぽになって行きました。テーブルもすぐにお求め頂いたので、それから半年はテーブルの無い生活でした。中には100万円に近い家具もありました。しかし、ファンの方はそんなに高価なものも直接見ないでお求め下さったのです。私は、この様に私を信頼して下さるファンの方がいて下さることを、この時とても感謝に思いました。このような方々が、私を、マチルドを、23年間支えて下さっているのだと心から思いました。今、この場を借りて心からお礼申し上げます。
アンティーク以外のものも沢山ありました。母から譲り受けた大島紬の着物、私が成人式で着た、手描きの帯がセットになったシルクの着物などなど。私が生まれた時に祖母から頂いたお雛様も、思い出深い高価なものたちでした。それらのものは、銀座で和骨董店をされている方に買い取っていただくことに。何百万ものものが、数万円となってしまった時は さすがに少しショックでしたが、使わないものを持っていても仕方が無いと、きっぱりと諦めました。
娘の景都が子供の頃から描いてきた油絵、芸大受験の際の作品、そして、パソコンの中の数々のアート作品。愛する娘の大切な作品たちでしたが、これもきっぱりと捨てました。
そして、食器洗い器、洗濯乾燥機などの家電も綺麗さっぱり捨てました。引っ越しのトラックは2トン車でしたが、がらがらで独身の人にも満たない量でした。
アシジで心のリセットをされた私は、物質面でもこうしてリセットされたのでした。フランキンセンス+ハウスに向けて、ゼロからスタートするために。。



多くのファンを持つアンティークショップ 「マチルド・イン・ザ・ギャレット」オーナー。スタイリストを経て、結婚、渡英、そして帰国後にショップオープン、と次々に夢を実現。2008年秋に新ブランド「フランキンセンス」を立ち上げる。一人娘の酒井景都さんは、モデルやMade in COLKINIKHAのデザイナーとして活躍中。




